皮膚(口腔・陰部粘膜、爪、毛も含む)にみられる病気すべてを対象にして、診断・治療をおこなう科です。膠原病内科、眼科、耳鼻咽喉科、病理診断科と連携して診断・治療を行う場合もままあります。白癬(水虫、たむしなど)、細菌感染症(とびひ)、アトピー性皮膚炎、ウイルス感染症(水いぼなど)、褥瘡(とこずれ)、節足動物などによる皮膚病(虫さされ、疥癬、シラミ症)、皮膚がん、熱傷(やけど)、色素異常症(しみ、老人性色素斑)、薬疹、尋常性座瘡(にきび)などが代表的な病気です。
1994年に策定された日本皮膚学会「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」(2008年に改訂)に基づき、①搔痒、②特徴的皮膚と分布、③慢性・反復性経過の3基本項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断します。2008年の改定で除外すべき診断として新たに、皮膚リンパ腫、乾癬,免疫不全による患者、膠原病(全身性エリテマトーデス,皮膚筋炎)、ネザートン症候群が付け加えられました。除外すべき診断として挙げられた疾患を十分に鑑別できることが必要となります。ステロイド軟膏・クリームおよび免疫抑制薬の外用、坑ヒスタミン薬の内服、保湿剤の塗布などで治療しています。
白癬(はくせん)菌とよばれるかびの一種が皮膚に寄生したものです。皮膚や爪などを採取して、直接に顕微鏡観察を行うことで診断しています。抗真菌薬を数週間外用していただき、治療するとともに、スキンケアについても説明し、再発予防につとめています。
皮膚がんを診断する場合には、皮膚のどの部位から生じたものかを判断することが大事です。皮膚がんには多くの種類がありますが、ダーモスコピーと呼ばれる検査機器を用いて、的確に診断しています。
子供の体、手足、下腹部にできる直径が数mmの、表面に光沢があるブツブツです。トラコーマ鑷子(せっし)という水いぼ専用のピンセットでつみとります。
地域に密着した皮膚科として、診療していきたいと思っています。皮膚病は目に見えるものであり、その治療効果が患者さんにも目に見えて実感できるという特徴があります。気軽に受診できる親しみやすさを保持しながら、なおかつ大阪の郊外という土地柄を考慮に入れ、高度な専門医療をも提供していきたいと考えております。